キミの笑顔の理由になりたい

 
物珍しそうに接してくる樹神さん。

頬をぷにぷにとつつかれても痛くはないけど、怖くなってぽろっと涙が零れてしまった。



「…え」



さすがの樹神さんもそれを見てつつくのをやめてくれて、他のメンバーも驚いているようだった。



「冬祢ちゃん!?」



ただ須賀さんだけが驚いてはいたけど心配して、すぐに4人から距離を取らせた。



「純くん!冬祢ちゃん繊細なんだから!」



そして、樹神さんに怒っていた。

樹神さんは申し訳なさそうにして「ごめんな」と謝ってくれた。

確かに樹神さんの行動に私は涙を零れさせたけど、あんな申し訳なさそうに謝られるとこっちも申し訳なく思ってしまう。



「あの、ちょっと…ビックリした……だけなんで…」



怖いと思ったけど、ビックリしたのも事実だから樹神さんが気にすることはないんだ。そう上手く言えればいいのだけれど、人と接するなんて久しぶりだからどうすればいいのかいまいちわからない…。



「…漆、一人でコイツの世話すんの大変だろ?俺も手伝うぜ」



樹神さんが何か考えているようだったけど、結論が出たのか須賀さんを見て、そう言った。

……………ん?

樹神さん、今なんて言った?



「あー!ずりぃ!!オレも手伝う!!」

「オレも手伝いたいな~」

「ちょ、俺も手伝いたいんだけど」



井ノ瀬さん、石動さん、七原さんの順で手伝いたいと名乗りをあげる。

何を手伝いたいとこの人達は言いましたか?
答え、私の世話。

いやいやいやいやいやいや。須賀さん一人でも会話がまともに続かないのにその上他の4人がうちに来るの?何の冗談だ。



「みんな…初日来なかったくせに」



須賀さんも4人が来ることに驚いているようで、でもどこか不服そうにも見えた。



「社長はオレらに頼んだんだから、今日から世話に行ってもいいでしょ」



よくないっす。
と、言えたらどんなにいいか…、来ないでと言う勇気がほしい。



「それはそうだけど……冬祢ちゃん、4人が来るけどいい?」



須賀さんが一応私を気遣ってくれたようで4人が来ても大丈夫かと聞いてきたけど、私に断る勇気も根性もないので「…部屋にさえ来なければ」と了承の意とも取れるその言葉を呟いた。



「話はまとまったかしら?」



今まで傍観していた美千子さんが話は終わったかと声をかけてきた。