キミの笑顔の理由になりたい

 
うだうだと考えながらベッドの上をごろごろしていると、もう朝の6時になっていた。

一睡もできなかった…。

いや別に寝ないことはたまにあるし…アニメ一挙放送見るために起きてることよくあったから別にいいんだけど…このままだと私はあと4人のイケメンに会うことになる。

須賀さんだけでも緊張してしまうのに他のメンバーにあってあのアイドルスマイルを見せられたら……私きっと溶けて消えるわ。

どうしようと考えていたら、コンコンコンとノック音が聞こえてきた。



「冬祢ちゃん、起きてる?」



一応起きてるけど…寝てませんよ…と返事を返せるわけなく、そっと部屋のドアを開けた。



「おはよう冬祢ちゃん」

「…おはようございます」



寝ていない私には朝からアイドルスマイルはあまりにも眩しい。

目を細めつつも挨拶は返せた。

須賀さんは朝ごはん作るから着替えておいてと言ってキッチンに行ってしまった。

昨日のワンピースを着る勇気はないからいつものズボンにシャツ、パーカーを羽織ってバッグに必要なものを入れて部屋を出た。

まずは洗面所に行って顔を洗い、ある程度髪を整えてリビングに来てみたら、フレンチトーストがダイニングテーブルに並んでいた。



「朝はフレンチトーストでよかったかな?」

「…別に構いませんけど…」



私はいつもトーストにバター…というかあれはバターなのか?まぁそれっぽいのを塗って砂糖も塗ったのを食べるからフレンチトーストでもなんでも構わなかった。

自分がいつも座る場所に座り目の前にあるフレンチトーストを見て、いただきますと手を合わせて一口食べてみる。

甘くて美味しい。



「美味しい?」

「はい、すごく美味しいです」

「よかった。この間番組で美味しいフレンチトーストの作り方ってのを教えてもらったから」



そう言えばルーメンのメンバーが毎週、その道のプロに教えてもらうみたいな番組があったなぁ…

フレンチトーストのを見たことがないってことはまだ放送されていないのかな?


朝食も食べ終えれば早速仕事に行くと言うことで須賀さんは荷物を取りに一度部屋に行ってしまった。

私は使った食器を洗っていたけど、このままでは本当に行く流れになってしまう。

勇気を出して行きませんと言わなければと思うけど…私はその勇気を出せず…収録現場、要はテレビスタジオに来てしまいました。

緊張しすぎて、さっき食べたフレンチトーストが出そう…。

そこのテレビスタジオの1階は駐車場になっていて入り口の警備員さんと須賀さんは一言二言話すと車を進めた。

さっき警備員さん私を不審者を見るような目で見ていた気がするけど…気のせいだと思いたい。



「はい、これ。一応持っておいてね」



そう言って渡されたのはこのテレビスタジオの入場許可証だった。

首から下げておくように言われて言う通り首から下げた。