キミの笑顔の理由になりたい

 
須賀さんの手伝いもあって食器はすぐに片付けられた。

あとは寝るだけだけどなんとなくテレビを見ていた。

さっきの番組は終わってしまい、ゲストが今度公開の映画を宣伝していた。

アニメの映画しか見に行かない私にはどうでもいい情報だ。

辛うじて興味があるといえば刑事もので結構長くやっているドラマだろうか。

主人公のキャラがすごく好きだ。

嫌いなのは旅館の女将が事件解決したりするもの。

ありえないだろ。なんで旅館の女将が犯人探してんだよ!っていつも思っちゃうから。

基本的にドラマを見ない私はこのあとあるであろうドラマを見る気はないから部屋に戻ろうと立ち上がった。



「あ、冬祢ちゃん。さっき美千子さんから電話あったんだけど…ジャージ忘れてたみたい」

「…あ、そういえば」



初めてのメイクにオシャレのせいですっかり忘れていた。

結構気に入ってるジャージだから返してもらいたい。



「明日、一緒に取りに行こうか」

「…いいんですか?」



美千子さんと連絡とれるのは須賀さんだけだからどうしようかと思ったら須賀さん自ら提案してくれて、いいのかと聞いたら須賀さんは頷いてくれた。



「あ、でも明日俺仕事だから……そうだ一緒に収録に行こうか」

「……はい?」

「うん、そうしよう。明日はみんなと仕事だし冬祢ちゃんのこと紹介できるし」



ちょ、ちょっと待ってよ…

え、つまり…明日須賀さんが仕事だから、一緒に収録現場に行けと?

一緒に行って…ルーメン全員と会えと?

どういうこと?



「……あ、の」

「冬祢ちゃん一人にしとくのも心配だし、明日はちょっと早起きしてね」



人の話聞いてくれませんかね?

勝手に私の明日の予定決めないで!

須賀さんが仕事なのはしょうがないから別にいいんだけど、なんでそれに私が付き合わなきゃならない?

私はジャージさえ取りに行ければそれでいい。

須賀さんに頼むって手はあるけど、さすがにアイドルにそんなこと頼めないし、必要とあらば外に出ることぐらい我慢できるから自分で取りに行くのは別に構わない。

それが何故、ルーメンと会わなければならない。



「冬祢ちゃん、明日は早いからもう寝るんだよ~」



のんきにそう言って須賀さんは客室へと行ってしまった。

リビングに一人残った私は、すでにはじまっているドラマをBGMに唖然としていた。

須賀さんの中では私が一緒に仕事場に行くことは決まってしまっているようで、どうしようと私は一人悩みながらもテレビの電源切って、自室に戻った。

なにもする気になれず、すぐにベッドに入ったけど明日のことを考えると眠れるわけがなかった。