はじめましてこんにちは。

私、時宮 冬祢(ときみや ふゆね)って言います。

どこにでもいるごく普通の17歳の女の子です。

普通とは違うところをあげるとすれば、まず親が芸能事務所社長であることと、私が引きこもりのオタクであることでしょう。

いや、ほんと、他人って怖くて私はどう接していいのかわからないわけですよ。

最近では電話出てお母さんの知り合いらしい人だからどちら様かと聞いたら「そんなこともわからんと?死ね!」と言われたんですよ…。

なんでいきなりそんなこと言われないといけないのか…三日ぐらい泣き続けました。

お母さんにそれを話したところ、そんな失礼な知り合い知らないと言って結局私はなんであんなこと言われたのか…わからずじまいです。

おかげで電話恐怖症にもなってしまいました…。

もう家の電話出るもんか。

そんな感じで私は引きこもりライフを送っているわけですが、こう見えて私は高校生です。

学校には毎日通う根性も勇気もないので通信制の学校に通っています。

月に2回か3回授業を受けに行くのです。

友達いないからいつも独りぼっちですけど…誰も干渉してこないから楽と言えば楽ですね。


昨日は学校に行ったので疲れが残っているようでまぶたが重い。

枕元に置いたスマホが起きろと訴えるように鳴っている。

そういえばアラーム解除するの忘れてた、と思いスマホを手に取る。

画面にはアラームをセットした時間と、現在の時間が表示されていて、アラームをセットした時間から10分進んでいて、現在の時間は7時15分。

二度寝しようと思ったけど、私に起きろと訴えるスマホは大好きな声優さんの声を響かせる。

私のアラームは大好きな声優さんの目覚ましボイスにセットしてあるから当然、声優さんの声が鳴る。

それを聞いてにんまり顔がにやけてしまう。

優しい声で言われては仕方ないと思い体を起こして、たまには早起きしてもいいかとベッドから出て薄暗い己の部屋を見て少しは片付けをしようかなと思った。

私の部屋は暗い色の遮光カーテンが締め切られていて太陽の光は隙間から溢れている。

その光とオレンジ色の光を灯す豆電球だけの明かりを頼りに部屋を見るとずいぶん散らかっている。

昨日学校だったから着ていた服は小さなソファーに乱雑に掛けられて、そのソファーの上には大量の漫画が積み重なっていたり、ゲームのソフトのケースが積み重なっていたり…普通の女の子の部屋とは到底思えない。

うん、今日は片付けよう。

そう決めて、とりあえず何か軽く朝ごはんでも食べようと部屋を出てキッチンに向かった。