「どういうことですか、丹隼さん！？」
「ここの医者の先生が看護師さんを呼んだ時に、足がコードに引っ掛かったんだ！」
「…。」

僕は安心すると同時に、何だか可笑しくなってきた。…何だよ、そんな理由かよ…。人騒がせな医者だな…。

だが、笑ってもいられない。

「でもこれ…ちゃんと動いてるよな…？」
「それも大丈夫。今の心拍数から見ると、だいぶ安定しているみたいだしね。」
「…っていうことは…！」

頭の中を黒く塗りつぶしていた何かが、消しゴムで消されていく、そんな気がした。

「ちゃんと生きてるよ。」

再び涙がこみ上げてきた。でもそれは、嬉しさが作った輝く涙だ。

僕達は喜びあった。何の濁りも曇りもない澄んだ喜びを、僕達六人、いや、七人はしっかりと噛みしめていた。

しかも、奇跡はこれだけにとどまらなかった。

「ん…。」
「飛鳥？」

僕はベッドの上の飛鳥を見た。体がかすかに動いているのが分かると、僕は顔に乗っている白い布を取った。

飛鳥の目は…僕を映していた。光があった。

「太陽さん…？」