「今日は無理だよ…。」

走り回った挙句、丹隼さんから言われた言葉は僕にとってはあまりに重かった。

「また明日、日を改めて探そう。」
「はい…。」

丹隼さんがいなくなってからも探し続けようとは思ったが、疲れていたのでやめた。

「はぁ…。」

家のドアを開ける。その時、僕は見たのだった。

足元に…飛鳥の靴があったのだ!

「飛鳥!」

僕は夢中でリビングへと走った。だが、そこにはいなかった。代わりに、後ろからシャワーの音が聞こえた。

「風呂か…。」

僕はおとなしくリビングで待っていることにした。ここで風呂のドアを開けるのは、さすがにマズい。

それから三十分。

まだ飛鳥は出てこない。

「どうしたんだ…?」

僕の足は風呂へと向いていた。そして気がつけば、僕は風呂のドアに手を掛けていた。

「いや、待てよ…。」

僕は自制心を働かせた。こんな所で開けたら、ただののぞきだぞ?

…でも、心配だった。

その心配する心が、のぞきなんていう考えを吹き飛ばしてくれた。

僕は勢いよくドアを開けた。その瞬間の僕の顔は、きっと某映画の宇宙人よりも青かっただろう。