現場に行くと、そこにはなぜか丹隼さんの姿があった。

「何やってるんですか、こんなところで？」
「ん？」

丹隼さんは現場を見つめていた視線を僕達の方へ向けると、面倒くさそうに言った。

「ただの事件捜査だよ。」
「捜査…？」
「あれ？言ってなかったっけ？こう見えてもこの丹隼明快、警察の捜査に加われるんだよね。」
「け、警察の捜査に？」
「そうだよ？」

…やっぱり、丹隼さんはすごい人なのかもしれない…。

「あ、それで、僕達っていつになったら帰れるんですか？」
「そうだね…。」

丹隼さんは時計を見た。もう午後六時。かなり遅くなっている。

「暗くならないうちには帰れると思うよ？」
「もう暗いですけどね…。」
「あ、そうか、ハハハ…とにかく、もうちょっとで帰れるから。」
「そうですか…。あ、ありがとうございました。」
「いやいや、お礼なんていいよ。」

それから一時間後。二宮さんから「帰っていい」との連絡があった。