「ん…?」

家の前に、何か白いものが横たわっている。一切の汚れがない、本当の白だ。

「何だ、これ…?」

恐る恐る近づいてみる。人間と同じくらいの大きさだ。

「ん…?」

僕はこれに覆いかぶさっているのが白い布だと気づいた。そして、その布をめくった。

「うわっ!」

僕は驚きを隠せなかった。

家の前にいたのは…一人の少女だった。少女と言っても、実際には僕や葉月とほとんど年齢が変わらない。ただ、個人的に僕は「女子」という言い方が嫌いなのだ。

「大丈夫…ですか?」

顔を覗き込み、安否を確認する。どこか葉月と似ている気がしたが、恐らく気のせいだろう。

「…。」

少女はピクリとも動かない。

「と、とりあえず家に運びますよ~…よいしょ。」

僕は少女を背負って家に入り、僕の部屋のベッドに少女を寝かせた。

「…。」

相変わらず動かない。まさか、もう息がないんじゃないのか…という嫌な想像をかき消そうと一人で自分の思想と格闘していたその時、少女がゆっくりと目を開けた。