「飛鳥…。」

飛鳥は、僕に抱きついていた。強く、とても強く。

「こんなところで死ぬなんて…絶対に嫌ですっ…!」

飛鳥がここまで必死になったのを、僕は初めて見た。

「…でも…僕がいたらまた犠牲者が増えるから…!」
「話なら聞きますから!だから…そんなことしないでください!」

飛鳥の声は震えてもいた。

僕はそんな飛鳥を放っておけなくて、へなへなとその場に座り込んだ。

「…何があったんですか…?」
「…怖いんだ…。」

僕の声も震えていた。

「…僕を好きになってくれた人が…立て続けに死んでいくんだ…。葉月も、蒼衣ちゃんも…。このままじゃ、次の犠牲者が出てくるかもしれない…。それが…怖いんだ…!」

目から溢れるものを止める必要はなかった。いや、止める気力がなかった。

「…そんなの、ただの偶然かもしれないじゃないですか。」
「そうだけど…次の犠牲者が出てからじゃ遅いんだ…。」