蒼衣ちゃんは…凍りついて死んでいたのだった。

「しかも妙なことに、心臓付近だけ凍った跡が見られます…。」
「どういうことだ…?」

二宮さんは右手で頭を押さえながら考えていた。

「あの…僕達はどうしたら…?」
「あ…とりあえず、今はこの学校から出ないでもらえるかな?」
「はい…。」
「あと、ここの先生達に言って、君達以外の生徒さん達を帰すように、あと、文化祭を中止にするように言ってもらえるように頼んでおいてくれ。」
「はい。」
「やっぱり…中止ですか…。」

飛鳥が肩を落とす。そりゃ落ち込むのも当然だろう。何しろ部誌を超高速で書いたり、準備にも積極的だったから…。

と、ここまで考えて僕は自分自身の方に目を向けた。

僕はどうだったんだ?蒼衣ちゃんが呼んだからって、後にしてもらうこともできたんじゃないか?僕があの時行っていなければ、蒼衣ちゃんは殺されずに済んだかもしれないんじゃないか?

「…皆、先生に言ってくる。すぐ戻ってくるから。」

少し、一人の時間が欲しかった。

「じゃあ、私達は文芸部の方に戻っておきますね。刑事さん、戻っていいですか?」
「ああ。だがくれぐれも、外には出ないようにね。」