「ちょっ…こ、これどういうことだよ!?」
「分かんねーけど…も、戻ったらこんなことに…。」

僕は蒼衣ちゃんの安否を確かめようと映画研究部の部屋の中に入って行った。

蒼衣ちゃんの手首を触る。だが、僕の指に脈は伝わってこなかった。

「ダメだ、死んでる…!」
「えっ…!」
「警察に電話しないと…!」

僕は電話をかけようとしたが、運が悪いことに充電が切れていた。

「クソっ…!」

どうしようかと焦っていた時、文芸部の四人が駆け付けてくれた。

「何があったの!?」
「やっぱり来たのかよ…あ、そんなことより誰か、ケータイ貸してくれ!」
「何で?」
「理由はもうすぐ分かる!」

俺は御厨からケータイを借りると、警察に電話した。

「もしもし、警察ですか?至急天原高校まで来て下さい!後輩が倒れてるんです!」

僕は御厨にケータイを返し、取ってつけたような礼を言うと、校門まで走った。

パトカーが校門の前に到着したのは、電話してからだいたい十五分後のことだった。

「こっちです、こっち!」