「えっと…また文芸部に戻ろうかなって言ってた。」
「え?じゃあ戻ってくるの?」
「それはまだ分かんないけどね。」

その時、飛鳥が部室を出た。

「ちょっとお手洗い行ってきますね。」
「おう。」

飛鳥がここから見えなくなると、再び質問攻め。

「安堂って、飛鳥ちゃんのこと好きなんでしょ?」
「まさかのもう付き合ってるとか…?」
「それはないんじゃないの?」
「…あり得る。」
「落ち着けって、四人とも。」

四人の予測は、今度は大当たりではない。…だが、正直よく分からないところはある。

僕は…飛鳥を好きになってしまったのか…?

「そんなわけないだろ?だってまだ出会ってすぐだし…。」
「でも安堂って、飛鳥ちゃんのこと飛鳥って呼んでるでしょ?」
「それはただ、近藤と混ざってややこしいから…。」
「真相はどうなんだろうね~?」
「…ちょっと黙っててもらえるか…?」

こんな俺のピンチを救ってくれたのは、飛鳥だった。

「何してるんですか?」
「あ、戻って来たよ、安堂。彼女が。」
「…何の話ですか…?そんなことより、準備しましょう。」