カノジョノカケラ

だが、そんな僕の決心とは裏腹に…。

「起立。礼。」

とうとう下校時間となってしまった。

「はぁ…。」

皆はカバンを持って、正門や部活の部屋へと向かう。だが僕は一人、頭を抱えて席に座りなおした。

このこじれにこじれた三角関係を、僕は一体どう解決したらいい?

何となくノートに図を書いてみる。

僕、飛鳥、高端の三人を頂点として、直角三角形を描く。僕のいる部分の角度をθとすると、飛鳥は直角部分、残った一つは高端だ。sinθは高端と飛鳥との関係÷僕と高端の関係で、cosθは…。

「…分かるわけないだろ、こんなの…。」

こんな理論で分かるんだったら、ここまで悩む必要はない。

…なら、どうして悩む?

そんなの、知るわけない。知ってたら、悩まない。

一人で考えていたら頭がパンクすること間違いなしなので、僕は部室へと歩き出した。

だが、その部室は…。

「…おい、どういうことだよ…。」

ドアに「文芸部は廃部とする」と書かれた紙が貼ってある、ただの部屋となっていた。