「由吾くん!!次のお客さん入ったから、お相手よろしくね~!」

店長からお呼びが掛かる。
「はーい!!」
明るい声で俺が返す。
はぁ…。どうせ次のやつも…面白味もないんだろうな。

コンコン!!
「お待たせしました~!!」
「…。」
あれ…。返事が無い。
「は、入りますよ~!!」
ガチャ…
「ん゛?何だ、お前か…。」
は?コイツは一体なんの設定になってるんだ?全然店長から聞いてないのだが…。

「う、うん。」
…。き、気まずい!!何で黙ってるんだろ…。

「由吾。」
「…な、何?」
俺がそっと顔を向けると、冷たい目線とぶつかった。

「お前…、舐めれる?」
お客さんの指差すのは、ソコだった。
「は、はい?」
「何…出来ないの?」
そいつは、右の口角を上げた。
カチン!!

「で、出来ますとも!!」
やってやろうじゃん!!

………

沈黙を破ったのはお客さんの方だった。
「プッ…ククク…。」
「…どうかした?」
「いや…。」

やってる最中に笑うとか…変な人。
俺はのんびり考えていた。が!!それは甘い考えだった。

「あまりに下手くそだから…。」
…は?
「いま、何て…?」
「だから、あまりに下手くそで何も感じねえなって!!コレじゃ、女の方がうまいぞ。」

何だと!?メッチャ腹立つんデスケド!!

「…だったら、女のとこにいけばいいじゃん。」
俺は、客間から飛び出してしまっていた。
あー!コレ、言ったら客減っちまう…。俺ったら何こんなことで怒っちゃってんだろ…。情けなっ!!