【永遠 side】





「……あ?…ったく、早くしねーと遅れるぞ。怒ってねーって。待っててやるから、早く来い」







怒っていないわけが無い。湊(みなと)のやつ…。案の定寝坊かコノヤロー。入学式に遅れる新入生が何処にいるんだよ。



卑屈っつーか、なんつーか。慣れたらこんなもんか、最初は当たり前の如く焦ったけど。あー、慣れってコエー。




既に通話は終わり、もう用済みである携帯電話を、ややがさつにポケットに突っ込む。で、「…はあ。」特に何も意味のないため息をついてみる。













そう。俺って、意味のない行動しかしないんです。












…こんな綺麗な桜の木の前で、失礼だな。





右手をスッと前方に出し、手のひらを空に向けてみる。すると、まるで待っていたかのように、俺の手のひら目掛けてはらりと落ちてくるピンク色の花びら。



軽い。軽すぎる。重さなんて全く感じない。俺とは全く違うじゃねーか。








嫌いだ。桜は、大嫌いだ。