「――なぁ、」
またも今井が口を開く。
今度は何だと睨み上げる様に視線を上げれば、今井は苦笑を洩らし僅かにたじろぐ。
「睨むなよ。もう追求しねーって。お前結構あの人と仲いいんだなって、その話だよ」
あの人、とはおねーさんの事だろう。睨む目がフッと和らぐのを自分でも感じた。
「別に仲良くはないよ」
「でも『日生くん』って呼ばれてたしな」
「アンタも『今井くん』って呼ばれてただろ」
「……まぁそうだけど……」
そう言って今井はつまらなそうな顔をした。いや、そんな顔されても。
ボクはまた本に視線を落とした。幾秒かの沈黙が降りたが、今井はふと思い出した様に再度口を開いた。
「あの人何歳なんだ?」
「さぁね」
「何処に住んでるんだ?」
「知らないよ」
「休日何してんのかな」
「だから知らない」
本から目を離さぬまま答える。
「キレーな人だよなぁ」
……肯定したいのに、素直に頷けなかった。
「彼氏とか、いんのかな」
ボクは小さく溜息をついた後、
「……さぁね」
そう答えた。
「ホントになんも知らないのか?」
今井はテーブルに肘をつき、その手に頭をついた不行儀かつ無遠慮な姿勢でそんな事を尋ねてくる。
「知らないよ。知る訳ないだろ」
ボクがそう答えると、今井は暫し黙り込んで何かを考えているようだった。そしてボクもまた、おねーさんの事を悶々と考えていた。
夏の日差しが窓から差し込む。それと共に温い風が入り込み、ゆらゆらとカーテンを揺らした。
またも今井が口を開く。
今度は何だと睨み上げる様に視線を上げれば、今井は苦笑を洩らし僅かにたじろぐ。
「睨むなよ。もう追求しねーって。お前結構あの人と仲いいんだなって、その話だよ」
あの人、とはおねーさんの事だろう。睨む目がフッと和らぐのを自分でも感じた。
「別に仲良くはないよ」
「でも『日生くん』って呼ばれてたしな」
「アンタも『今井くん』って呼ばれてただろ」
「……まぁそうだけど……」
そう言って今井はつまらなそうな顔をした。いや、そんな顔されても。
ボクはまた本に視線を落とした。幾秒かの沈黙が降りたが、今井はふと思い出した様に再度口を開いた。
「あの人何歳なんだ?」
「さぁね」
「何処に住んでるんだ?」
「知らないよ」
「休日何してんのかな」
「だから知らない」
本から目を離さぬまま答える。
「キレーな人だよなぁ」
……肯定したいのに、素直に頷けなかった。
「彼氏とか、いんのかな」
ボクは小さく溜息をついた後、
「……さぁね」
そう答えた。
「ホントになんも知らないのか?」
今井はテーブルに肘をつき、その手に頭をついた不行儀かつ無遠慮な姿勢でそんな事を尋ねてくる。
「知らないよ。知る訳ないだろ」
ボクがそう答えると、今井は暫し黙り込んで何かを考えているようだった。そしてボクもまた、おねーさんの事を悶々と考えていた。
夏の日差しが窓から差し込む。それと共に温い風が入り込み、ゆらゆらとカーテンを揺らした。

