それから春は映画に集中できなくなってしまった。 …そりゃ見ちゃうよ、こんなキレーな顔だもん。 春は映画が終わって中山が起きるまで、ちらちらと隣人の寝顔を盗み見ていたのだった。 ーーーーーーー 「先輩、寝るくらいなら他のにすればよかったじゃないですか。」 今だに眠そうに道を歩く中山に、春は何気無くいったつもりで。 「……お前が見たそーにしてたから。」 お返しに爆弾を放り込んできたのだ。 見たくもない映画を自分のために見てくれたというようなもんで。