春の細い手首は中山の骨ばった大きい手に包まれ、くびれた腰も同じく彼の手の中にあった。 「…あ、ありがと。ございます。」 人がたくさん往来する中、2人だけ止まっている。 ちらちら2人を見る人が通り過ぎて行く。が、そんなことは今の春にはどうでもよかった。 力強い手や男を感じさせる香り、そして高校生らしからぬ紳士的な行動に、春は胸をときめかせたのだ。