春の慌てっぷりに顔を出した母親にも構うことができずに急いで準備をする。 メイクに時間が取られて、なんとか納得行くように準備が終わったのは10時ちょうど。 「間に合った…。」 「なに、デート?春。」 玄関で靴を履いていると、ニヤニヤしたお母さんにそう言われて春は思わず赤面した。 「違う。先輩と遊ぶだけ。」 そうだ。 遊ぶだけだ、瑠璃子と遊ぶときのように。 これは断じてデートなどではない! デートじゃない。 ただの、先輩の気まぐれだ。