「…出るのおせぇ。」
「電話して来る時間が遅いんですよ。」
久しぶりに聞く低い声に少し緊張しながらも憎まれ口を叩く。
あの中山修二にこんなことを言っている自分が怖いわ。なんて思ったり。
「………。
明日朝10時迎えに行く。
昼飯うまいとこ連れてってやるから、…ちゃんとした格好してこいよ。」
「え、やったー。
んで、ちゃんとした格好ってどんなのですか。」
そんなすごいところ行くのかな…嫌でも、高校生だしそれはないか。
「ふつーに洒落てこれば間に合うからあんま気にすんな。
…間違ってもジーパンにTシャツとかやめろよ。」
「先輩、私のことなんだと思ってんですか。」
ダサい女だと思われてたことに不機嫌になりながらも、電話の向こう側で笑っている中山に悪い気はしなかった。


