「中山せんぱーい。」


反応がないので心配になった春は、そっと中山の胸元に耳を寄せる。


よかった、生きてる。


具合が悪いと言うか、ただ寝てるみたいに見える中山の姿に、春はもう一度声をかけた。


「な か や ま せ ん ぱ い!」


「……ぶどうの匂い。」


片手に飴をもって大きめに声を掛けると、パッチリと覚醒した中山は。


「なにすんですか!!」


春の食べかけのグレープ味キャンデーに食いついた…!