「…というわけなんですよ。」 あれから結局時間もなく、放課後。 高校の近くに住む瑠璃子の家に連行され、もれなく説明させられた春は、一通り話し終わってちらりと瑠璃子を見た。 瑠璃子は下を向いてふるふると震えている。 「ど、どったのー…」 今だ手付かずの茶菓子に早くてを伸ばそうとした瞬間、ガバッと顔を上げた瑠璃子は。 「春にもやっと春が来たのねーっ!」 大きな瞳をこぼれんばかりに見開いてキラキラさせていた。