「あら、蓮くんってば1位?やるぢゃなぁい♪」

「ふっ、別に。これくらい普通だぜ。…言ったろ、高校でも1位とるってさ」


試験の結果が貼り出されている掲示板の前に、琴羽と蓮は立っていた。

琴羽の言葉に、珍しく演技に力が入る蓮。

結構レアなテンションではないのだろぉか。

蓮ファンには堪らないだろう。


「んで、お前は?」

「掲示板には載らないけど、中学よりは確実に良くなったよ…ほら」


蓮に、先程担任から渡された紙を見せる。


「25位も上がってんぢゃん」

「すごいでしょ。蓮のおかげだよ」

「まぁな」


琴羽に紙を返しながら、蓮が笑った。

その後、並んで教室に戻る。

歩きながら蓮がふと呟いた。


「あ、そぉだ。今度の日曜日空けとけよ」

「え、なんでぇ?」

「試験勉強頑張ってたからな、ご褒美やるよ」


そう言う蓮の手には紙が握られていた。


「クラスマッチの景品…遊園地のチケットだっただろ?」

「え、連れてってくれるの!?」


琴羽の表情が一気に明るくなる。

蓮は頷いた。


「おう。ぱーっと遊ぼぉぜ」