クラスマッチが無事に終了し、安心するのも束の間。

1週間後には、試験が迫っていた。


「クラスマッチのことですっかり忘れてたぁ…!!」


琴羽は机の上に教科書やらノートやらを広げて勉強に集中する。

…が、その横で。


「…ふぁ」


大きな欠伸をする人物が1人。


「蓮、もうちょっと控えめにしてよ…欠伸」


欠伸を見た琴羽は、蓮を睨み付ける。


「気が散るっつーの」

「だって眠いし。ってか、お前は何やってんの?」


蓮が琴羽の手元を覗き込む。


「あ〜…勉強ね」

「蓮もしなさいよ。普段、授業にだって出てないんだから」

「嫌だ。めんどいし」


琴羽の言葉に蓮が頭を掻く。


(随分余裕ぢゃないの…)


蓮の態度に、琴羽の頬が引きつる。


「まぁ、せいぜい余裕ぶっこいてればいいわ」

「まかせとけって」


蓮には嫌みも通じないようだ。

にっ、と笑う蓮を見て琴羽は教科書を投げつけた。