どうせ
いつもの店だと思い
行き先もきかなかった。

道中で青夜は
一度も
実家どうだった?
とはきかなかった。

きっと
アタシの顔を見て
きかずとも理解したのだろう。




青夜の運転する車が
到着したのは
やっぱり
いつもの店だった。

店にはいり
店員さんがアタシの顔を見るなり

「コチラです」

と席に案内してくれた。

アタシも
店員さんに顔を覚えられるくらい
この店の常連客に
なっていた。

いつもの店の
いつもの席をのぞくと
ほかの子たちも
来ていた。

「おかえりなさーい!!」

今日は
誰と会っても
こう言われる。