肌寒くなってきて、
制服は冬服に移行期間。

ソックスだった女子の足はタイツになっていた。


もう少しで冬休みだってゆうときに、
二人は出逢ったね。



いつもと変わらない食堂。

いつもと同じパンを買って、
友達に誘われて買うつもりのなかったアイスも選んで、
お金を払った。

いつもと何も変わらないお昼を過ごしていた。

いつもと違ったのは、

食堂を出たときに2つ上の雅樹に声をかけられたこと。


「いつも食堂にいるよね。俺のこと分かる?」

ハキハキとした、聞き取りやすい声だった。
女慣れしたような、ゆったりとした口調。

「ごめんなさい、わからないです。」

周りのことに鈍感な私が分かるわけもなく、
凛とした表情で返事をした私に
雅樹は唖然としていた。


近くにいた友達がひそひそ私の耳元で話していた。
「杏理www
雅樹先輩だよ〜!
文化祭でカラオケ大会1位取った人だよ!」

教えられても、全く興味なかったことなので
へぇ〜〜、くらいにしか思わなかった。

杏理だもんなぁ〜、ってくすくす笑われた。



それから毎日すこしずつお昼に雅樹と話すようになっていった。