ミステリアスな転校生

────北校舎 女子トイレ───


用を足し終わり、百合より先に洗面台で手を洗っていた




ふと鏡をみた













目の下には熊ができていて、青白くゲッソリとした私の顔…


確かに、相澤が言うのも無理はない。
だいぶ疲れた顔をしてるな、私…





「ねね、今日帰りに映画みてかない?」

個室から出てきた百合に誘われたけど、私は今日もバイトだ…

「ごめんね、今日もバイトなんだ…せっかくだけど又今度にしよ?」

「そっかー。残念っ!また誘うよ、バイト頑張ってね」


あーあ…映画行きたかったなぁ



「本当に琴美、疲れてる顔してるね。“憑かれて”たりして(笑)」


私が霊なんて信じてないのを知ってる百合は、そんな冗談を言って笑ってみせる

「あはははっ、うけるー」







一瞬、相澤に言われた言葉が脳裏を過ぎった