駅に到着し、扉が開く。 亜優美、中川、合田が一斉に声を出した人物に目を移したが、一瞬誰も動けなかった。 その隙を突かれ、声を出した人物は慌てて人の波をかき分けて電車から降りようとする。 (違う、あの肩幅。) 中川が一番に我に返り、その人物を見失わないように追いかける。 けれど、人の波に流されて思うように動けない。 その時、ホームで立っている優斗が目に入った。 「優斗君!」