「その為に、俺達がいる訳だしね。」 合田も優しく言ってくれる。 「はい、ありがとうございます。」 笑顔で答える亜優美に中川の安堵の表情を見せた。 「チャンスは1回きり。もし、今日痴漢が現れて捕まえる事が出来なければ、さすがに相手も警戒して痴漢はやってこないだろう。だから今日が最初で最後。このチャンスを逃せば終わりだ。」 「よし!絶対捕まえて見せる!」 握り拳を作りながら、亜優美はホームの時計を見上げた。 (7時35分。10分後に勝負ね。)