「あれ?今朝の亜優美さん、だよね?」
亜優美は中川の声に反応し、優斗と一緒に同時に立ち上がり、並んで頭を下げた。
「はい、この度は本当にご迷惑をおかけ致しました。」
「その為にわざわざ来てくれたの!?本当にもういいのに。」
「あの、これ…。」
頭を上げると優斗が持っていた紙袋を中川に差し出した。
「僕、亜優美の彼氏の清水優斗って言います。今回は亜優美がご迷惑をかけたみたいで…。」
「いやいや、彼氏にまで謝ってもらわなくても大丈夫だよ。」
「クッキーです。お嬢さんがいらっしゃると言う事で。亜優美と相談して決めました。」
「これだけは気持ちなので、本当に受け取って下さい!」
「わ、分かったよ。ありがとうね。」
亜優美の声に圧倒されて中川は素直に受け取る事にした。

