「ここかな?」 大通りに面した大きなビル。 ガラスの扉が大きくそびえ立つ。 「で、本当にこの会社なのか?」 「多分。背広についていたピンバッチ見たから。」 「適当だな。」 呆れる優斗を引き連れて、亜優美はガラスの自動扉を開けて入って行く。 「いらっしゃいませ。」 受付嬢が立ち上がって頭を下げる。 (絶対、会社の利益にならないような高校生が来ても頭を下げるって凄いね…。) どうでもいい事に感心しながらも亜優美は受付嬢に尋ねた。