「何で痴漢なんてしたいんだろう?私、よく分からないけど、風俗でお金払って、その…、痴漢プレイみたいなの、あるんじゃないの?」
優斗と並んで歩きながら亜優美は素朴な疑問を口にする。
「お金払ってそんな店行けば、誰にも迷惑かけないし、罪にもならないじゃん。」
「さあねぇ。公共の場でやるからスリルがあるんじゃないの?」
「そんなのただの変態じゃん。」
「そうだよ。痴漢なんてただの変態さ。」
「どうせ痴漢する奴なんて、彼女出来た事無くて、デブで冬でも汗一杯かきながら、アイドルの写真眺めてニヤニヤしているに決まってるわ!」
「その割には人のいい中川さんを疑ってたよな。」
横目でニヤリを笑う優斗に亜優美は苦々しい顔を浮かべた。
「もう、それは言わないでよ。」

