「面白くないです!絶対、捕まえてやるから!」
「亜優美さん、学校、時間大丈夫?」
中川からの指摘にホームの時計を見るとみるみる顔が青ざめてきた。
「ヤバい…、遅刻だ…。すみません。また。」
そう言い残すと、亜優美は入ってきた電車に飛び乗った。
電車に乗っても亜優美は2人に向けて頭を下げている。
「謝ったり、怒ったり。最近の子にしては感受性豊かで可愛い子ね。」
美穂がまたフフフと微笑む。
「大丈夫ですか?」
中川が心配して尋ねる。
「ええ、大丈夫です。中川さんもお時間が余りないのでは。どうぞ先に行って下さい。」
「すみません、では失礼します。」

