「何よ、昨日の言い方。もう優斗のバカ!」 亜優美はブツブツ呟きながら、桜町線の3両目、前から2つ目の扉に押し付けられている。 (やっぱり桜町線は、混み過ぎててもうイヤ。明日からぜーったい城西線に変更する!) いつものようにうんざりする亜優美を乗せて電車は桜町駅を出発する。 (でも、今日は何だか気持ちいいな。) 昨日痴漢を撃退した安心感と満足感に浸りながら、今日の夕食は何かと想像する。 その時だった。