「さてと、俺も食べ終わったしまた少し動こうかな」
「海に入るんですか?」
立ち上がった俺を、西山さんが見上げる。
「うん、少し歩いてこようかなった」
「あ、じゃあ私も後で行ってもいいですか?」
「うん、どうぞ」
別に海に入るのに俺の許可はいらないんじゃないだろうか?
そんなことを思うけど、嬉しそうな顔をしている西山さんに言うことはできなかった。
「じゃあ、先に行ってるね」
「はい」
西山さんたちと別れて、海に向かう。
そういえば仁はどの辺で泳いでいるのだろう?
すぐ近くなら一緒に泳ぐんだけど・・・。
キョロキョロ辺りを見回してみる。
けれど仁の姿は見当たらなかった。
あっちの方まで泳いでいっているのかな?
それならと、俺は1人海の中に入った。
別に深い処にいくわけじゃない。
浅いところで軽く歩く程度だ。
だから仁がいなくても大丈夫だろう。
そう思った俺は浅瀬でバシャバシャと歩いた。