「はー、泳いだ泳いだ」
プールから出た帰り、満足そうに背伸びをする仁の後ろを歩いて付いていく。
「仁、約束忘れてないよね?」
「あ、あー・・・。
あれね・・・」
笑顔がパッと消えた。
「たくしょうがねーなー。
で、三人分でよかったんだっけ?」
「うん」
「りょーかい。
そこのコンビニで買ってくるから待ってろ」
「あ、俺」
「わかってる。
チョコだろ?」
「さすが」
「んじゃ、2人もここで少し待っててね」
俺たちの後ろを付いて来ていた西山さんとその友達にも一言残して、仁は近くにあったコンビニの中に入ってった。
「あの、いいんですか?
本当に私たちまで・・・」
「いいよいいよ。
付き合ってくれたお礼でもあるしさ」
「でも・・・」
「冬花はわかるけど、何で私もなんですか?」
西山さんの隣にいたポニーテールの女の子が口を開く。
「だって、結局西山さんずっと借りてることになっちゃったし・・・。
お詫び?」
「ふーん。
ま、ありがたいけど」
答えるとその子はぷいっと顔をそらした。
「りっちゃん!
ごめんなさい、不愛想に見えるけど本当はいい子なんです」
「あー、いや。
気にしてないから大丈夫だよ」
笑って見せたものの、少し関わりにくい子なのかなとか思ったり。
「あ、仁戻ってきた」
袋を持った仁が近づいてくる。
「二人とも何がいいのか聞いてないから適当に買ってきたけど、嫌いなのだったらごめんな」
「そんな。
反対にわざわざすいません・・・」
「・・・ありがとうございます。
ごちになります」
「こらりっちゃん!」
西山さんの友達はなんだか変わってるなと思いつつ、やっぱりちょっと面白い子だなとも思った。
遠慮なくアイスを食べ始める友達に、西山さんがおどおどしながら注意している様子を見ながらクスクスと笑っていると、仁が俺にもアイスを差しだしてきた。
「ほら、チョコ味。
チョコなら何でもよかったんだろ?」
「ん、ありがとう」
それを受け取って袋をはがし、コンビニのごみ箱に捨てる。
「あー、やっぱプールの後のアイスはうめーなー!」
仁も自分のアイスを買っていたらしく、隣でシャクシャクと食べていた。
まぁ、人のを買って自分のは買わないなんてあり得ないか。



