夏と冬



「息?」


「そっ、息継ぎ」


息継ぎ・・・。


はっ!


確かにしてなかったかも!


だからあんなに息苦しかったのか。


「でも息継ぎなしで半分もいけるなんてすごいですよ。
息継ぎもできれば完璧に25メートルなんてすぐに泳げるようになると思います!」


胸で拳を作って見せる西山さんは、優しく笑っていた。


「ま、そうだね。
泳げただけでも一歩前進かな」


仁も俺の頭をわしゃわしゃと撫でまわす。


「ちょっ、やめろよ」


まだまだいたらないところはあるけど、ホント久しぶりに泳げただけで俺は嬉しかった。


いつもなら振り払う仁の手も、今日は許せる。


「ま、後もう少しだな。
やっと今年は海に行けるぞー!」


両腕を上げて喜ぶ仁を見て、俺は笑った。


そうだ、泳げるようになったんだから、今年こそ海行ける!


海は別に嫌いじゃない。


泳げないから行きたくなかっただけ。


仁もすごい喜んでるし、ちょっと楽しみだな・・・。


あっ、でも勉強が。


・・・まぁ、仁も前言ってたし、あんまり根を詰めすぎないようにしよう。