夏と冬



「ぶはっ!!」


足を付いて顔を水面から上げる。


「くる・・・し」


肺いっぱいに酸素を取り込む。


「はぁはぁ・・・。
進ん・・・だ?」


足を付いた所から後ろを振り返ってみた。


「あっ・・・」


向こうには少し離れた仁と西山さんの姿が見えた。


「進んでる・・・」


泳ぐことで一杯一杯な俺は、気付かない内に半分は来ていた。


「うわーっ、仁!
西山さん!
見てた!?」


向こうにいる2人の場所へ、笑顔で戻って行く。


でも、二人の顔は険しかった。


「どうしたの、2人とも?
俺泳げたよ!」


「うん、それは良かったんだけど・・・」


「問題が見つかりまして・・・」


「問題?」


もしかして泳ぎ方が変だった?


足がちゃんと動いてなかった?


腕の振り用がたりなかった?


何か、思い当たる節が多すぎてどれかわからない。


「あのな、夏芽」


「うん」


上から仁がしゃがんで俺の目をジッと見て話始める。


「泳ぎ方はそれと言って問題ないんだ」


「あ、そうなんだ?」


「でも、ひとつだけダメなところがあって」


「うん」


「・・・息、してなかったろ?
泳いでる時」


「・・・・」


息?