「なーつーめっ!
一緒に帰ろうぜ!」


「あー、ごめん。
今日寄るとこあるからさ、先に帰ってて」


ドンっと肩を組んできた仁を軽くあしらって腕をどく。


「はー?
じゃあ俺も一緒に行くって!」


「ダメ。
仁は一緒にいたら絶対にうるさいから集中して見れない」


「なんだよー。
冷てぇぞー」


「ダメなものはダメなんだ。
だってお前参考書とか嫌いだろ?」


「うっ。
まさか夏芽・・・お前が寄る所って・・・」


「仁が思ってるとこで正解だと思うよ」


「やっぱり・・・。
”参書”んとこ行くのか!?」


「うん。
だから仁は連れていけない」


「くあー!」


頭を抱えて声を上げる仁の横をカバンを持って素通りして教室から出る。


「仁、また明日」


そう一言出る前に言ったが、当の本人は未だに頭を抱えていて、聞こえなかったみたいだ。


「ま、いっか」


そのまま俺は学校から出た。