夏と冬




「え、トーカちゃんここで泳ぐの?」


早速名前で呼ぶ仁。


さすが女性には慣れてらっしゃることで。


「はい。
あ、迷惑でしたらあっち行きますけど・・・」


「いやいや、全然大歓迎!
ていうか、ちょっと変わってほしかったんだよね!」


「変わる・・・?」


首をかしげる西山さんに、仁はニコニコとしていた。


まさか・・・。


「夏芽、泳げないからさ、教えてやってくれない?」


仁ー!


何でそこに触れないようにしてたのに話てんの!?


隠しときたかったのに!


ていうか、自分から誘っといて何西山さんに任せてんの!?


「ちょっ、仁!」


「トーカちゃんさえ良ければ、どう?」


「わ、私でいいんですか・・・?」


「もちのろん!」


「わかりました、引き受けます」


「西山さん!?」


「わー、ホント?
ありがとー!
俺はベンチに座って二人のこと見てるからさ、よろしく頼むよ」


「はい、わかりました」


「いやいや、何勝手に話進めてるの!?」


ツッコミたい所はたくさんあるけど、どうしてこうなった?


「仁、西山さんは泳ぎに来てるのに無理矢理はよくないよ!」


仁の傍に寄ってコソッと話す。


「でも彼女はいいって言ったんだ」


「そうだけど・・・」


折角泳ぎに来てるのに、俺の相手なんかさせたら申し訳なくなる。


「ま、がんばれよ。
ちゃんと見てるから」


「もー。
上がったら三人にアイスだからね!」


「はいはい。
ん?
三人?」


「俺と、西山さん。
それに、西山さんの友達」


「げっ、マジか。
考えとく」


「絶対だから!」


はいはいと軽く返事をした仁は、水の中から出てベンチに座り、反対に西山さんが水の中に入ってきた。


「えっと・・・、何かごめんね」


「いえ」


「迷惑かけるかもだけど、よろしく」


「はい、任せてください!」


胸の前で拳を作って笑う西山さんに、俺も小さく笑って見せた。