「なーつーめーくーん!
あーそーびーまーしょー!」


ピンポンピンポンとチャイムを連打される。


「だー!
うるさーい!」


「おっ、やっと出てきた。
おはよ、夏芽!」


「もう昼だってば・・・」


玄関を開けて、目の前にいる人物に呆れる。


自分が1時に迎えに来ると言っておきながら、もう30分も過ぎてる。


遅刻なんじゃないですか、仁さん。


「たくもー。
今日は家族誰もいないからよかったけど、今度やったらホント迷惑行為で通報するからね」


「気を付けまーす」


反省の色を見せることもなく、笑顔で謝ってるあたり、絶対またするな。と思う。


ホント次したら通報してやろう。


「ほら夏芽、早く行くぞー」


「はいはい」


遅れたことも気にしてない様子。


ま、仁が遅れることはいつものことだからもう慣れたけど。


社会に出る前にちゃんとそこら辺んのことはしっかり教えとこうと、今日改めて思い知らされた。