「どうしたの、何かあった?」


俺はその笑顔の理由を知らない。


「お前さっきまで浮いてたんだって!
これなら泳げるのもすぐかもな!」


俺が浮いただけでこんなに喜ぶとは。


泳げるようになったらどうなるんだろう?


なんて、頭の隅で思ってたり。


「でも今日は浮くので時間潰したから、本格的な練習は明後日だな」



「あぁ、明後日もプールあるんだっけ・・・?
憂鬱」


「何言ってんだよ。
今までより一番いい成果だと思うぞ」


「そう?」


「あぁ!」


仁は嘘のない笑顔を見せた。


ま、そうだよね。


俺も体浮くのなんて保育園以来・・・。


「つー訳だから、明後日もみっちり練習だからな!」


「はいはい」


みっちり練習だなんて言ってるけど、今日はまだ15分くらい時間が残ってる。



仁の優しさなのか、はたまた自分の遊ぶ時間を残したのか。


まぁ、普通に考えて後者の方だろう。


練習をやり終えた俺たちは、他の人たちと混ざって遊んだ。