夏と冬



本当に俺は克服できるんだろうか?


また泳ごうとする度に溺れてるあの記憶を思い出すんじゃ・・・。


「心配すんなって!
今は俺がついてるし、ここはプールだ。
足もつく」


「そうだけど・・・」


「な、やってみようぜ?
俺が絶対守るから」


「守る・・・」


何故かその言葉一つで不安が無くなり、体もスッと軽くなったような気がした。


「・・・わかった、やってみる」


「おう、そうこなくっちゃな!」


ニシシと笑って見せる仁は、また俺の腕を引っ張って歩いていく。


なんていうか、頼もしい親友だよ、お前は。


「ところで仁。
俺が守るとか、男に言わない方がいいと思う。
気持ち悪いから」


「悪かったな、気持ち悪くて!」


ハハハと笑う俺に、仁は腕を放して先にズンズンと歩いていく。


もしかして怒ったかな?


そう思いつつも、笑いが止まらなかった。


さっきまで感じてた恐怖も不安も、何事もなかったかのように消えていた。