夏と冬



「え?
じゃなくて!
ほらっ!」


「待て待て!
遊ぶって泳ぐとかじゃないよね!?」


「プールは泳ぐために存在するものだ!」


「ムリムリムリっ!
泳ぐなら行かない!」


「何ガキみたいなこと言ってんだよ!
今年こそ克服させてみせる!」


「嫌だー!」


無理矢理に腕を引っ張られる俺は、力を入れて抵抗するけど、意外と見た目と違って力がある仁にはかなわなかった。


「ホント嫌だー・・・」


勉強は結構できる方で、スポーツも人並みにはこなせる。


でも、泳ぐのだけは・・・。


「今年こそ一緒に海に行くぞ!
”カナヅチ”の夏芽くん!」


ニヤッと笑う仁を見る限り、甘くはないなとさとる。


「はぁー・・・」


深いため息しか出てこない。


夏は別に嫌いじゃない。


でも、海とかプールとかこういうイベントがあるから、好きでもないかもしれない。


カナヅチで泳げない俺にとっては、苦難のイベントでしかないのだから・・・。