夏と冬



「夏の楽しみって言ったらやっぱ夏休みと祭りと海と水着じゃん?」


耳元でこそっとしゃべる仁だが、俺にはよくわからない。


確かに夏休みは楽しみ。


祭りもまぁ悪くない。


だけど、海と水着はどうかな・・・。


特に水着。


これと言って興味はない。


「そう?
俺は微妙だけど・・・。
でも、この学校って確か水着自由だったよね」


「そうなんだよ!
スク水でもいいんだけど、ビキニとか着てくる子いるし、マジやばいよな!!」


「声でかくなってる」


「おっと」


バッと手で口元を抑えてるけど、もう遅いと思う。


「ハー、今年はみんなどんな水着着てくるんだろーなー」


「・・・とかなんとか言ってるけど、実際はただ単に美奈子先生の水着姿見たいだけでしょ」


保健の先生はプールの授業の時、けが人が出たらすぐ駆けつけれるようにと、一緒に授業に参加する。


その際、保健の先生も生徒たちに泳ぎ方を教えたり、一緒に入ったりするため水着になる。


仁は美奈子先生のことが好きだから、他の女子のこと言ってるけど、本当はそっちの方が気になるんだろうな。


「先生の水着見て鼻血出すとかやめてよ?」


「バッ!?
はぁ!?
誰が鼻血なんかっ!
全然楽しみだけど、鼻血なんか出すわけねぇだろ!」


「日本語おかしくなってるよ」


図星を言われて焦ってる。


しかも楽しみって口走ってるし、顔真っ赤だし。


美奈子先生の話するとこんなにわかりやすくなるなんて・・・。


いいことを知った気分だ。