夏ということもあり、今日から学校のプールが解放される。
「夏芽!
プールだ!
プールだぞ!」
「何?
仁ってそんなにプール好きだったっけ?」
「ちげーよっ!」
違うのか。
じゃあなんでそんなに興奮してるんだよ。
「わかんねーのかっ!?
プールっつったら水着だろ!?」
「水着?
男子の?」
「ちっがぁぁぁうっ!!」
なんなんだ、1人テンションおかしいぞ。
一体何が言いたいんだ。
「お前はバカかっ!
いや、頭はいいけど。
勉強以外はバカなんだな!?」
「失礼な。
勉強以外だってちゃんとした知識はある」
「嘘だ!」
「人を指で指さない」
仁の指を軽く目の前からどける。
「誰が好き好んで男の水着を見たがるんだよ!
女子だよ!
俺が言ってんのは女・子ー!」
「わかったわかった。
とりあえず落ち着けって」
ホント落ち着いて。
声でかすぎて教室にいる女子みんなこっち向いてんじゃん!
「たく、夏芽は・・・」
少し落ち着いたのか、仁は近くにあった椅子を引いて俺の机の近くに座った。