夏と冬



「うん、じゃあ帰ろうか」


「はい」


少しだけ残っていたアイスココアを一気に飲み干す。


席を立って彼女のコップを見てみると、すでに彼女は全部飲み干していた。


いつの間に・・・。


そしてレジに向かってお金を取り出す。


「480円になります」


「はい」


店員さんに480円出そうとした時、彼女が先に240円出した。


「え、いいよ。
奢るよ?」


「いえ、大丈夫です。
私奢られるのってあまり好きじゃないので」


キッパリ言う彼女に、「そう・・・」としか言い返すことができなかった。


奢られるのが嫌だなんて、珍しい子だ。


・・・でも正直ちょっと助かった。