「“向日”さーん?何で机汚いの~?」


「あっ!ホントだ~♪何で教科書破れてんの~?」


「そんなんじゃ授業受けらんなくなーい?だからさー?」


いじめグループのリーダーである冷夏が私に向かって歩いてくる。


「お前はさっさと消えろよ?ん?」


私の髪の毛をつかんで冷夏は冷たく言った。


「なんであんたたちの言うこと聞かなきゃいけないのよ。」


「へぇ~?口答えするんだぁ~?」


「さっすがぁ~“人気アイドル”様は違うねぇ~?」


「あ~そう。じゃ。───死ねよ。」


「あはは!冷夏さいっこー!もっとやっちゃえ!」


そう言った刹那、私の周りにいた人達は次々と笑い始めた。


消しゴムを投げてくる人。


ゴミを投げてくる人。


こんなの、いつものことだ。


皆は、私のことを嫌う。


それは私が、“アイドル”だから。