あまりにも周りが静かなので不思議に思い顔を上げると、そこには酒を持って固まったたくさんの隊士が私を見ていた。


・・・・・あの芹沢までもが口を閉じてこちらを見ている。ニヤリと口元を歪めながら。


「・・・・ご満足頂けませんでしたか」


部屋全体を見渡して私がそう呟くと、途端に「す、素晴らしかったです!」「またお願いします!」などの声があがる。


・・・・・ダメというわけじゃなかったんだな。


これで拒否でもされたら流石に私のプライドが傷つく。


そんなに大層なものでもないけど。


軽くお辞儀をして元いた席に戻ると、芹沢が気持ち悪い程笑みを浮かべて私を見ている。


嫌な予感しかしない。


「お主・・・・・なかなか良い芸をするな。
これからは酒の席にも来い」


「・・・・・わかりました」


嫌な予感というのは、よく当たるもの。


何故わざわざ芹沢の酒の席に行って芸をしなくちゃいけないんだか。


できれば今日限りにしておきたかったのに。


でもまぁ、店側に迷惑がかかることを考えると、私が芹沢の酒の相手をするほうがよほどマシか。