仲間という名の雫





しばらく無言のまま待っていると、ようやく土方が口を開いた。







「・・・・・すまなかった」







・・・・・私は言葉が出なかった。


何に対して謝っているのか、大体はわかる。


重要なのは、あの土方が“謝った”ということ。


副長ともあろう立場にいる者が、そう簡単に頭を下げていいはずがない。


実際顔が伏せられているが、それは対して関係ないのかもしれない。


副長という立場で謝ることに、意味があるのかもしれない・・・・・。


「あの時・・・・・話も対して聞かず、拷問したこと・・・・謝罪する」


「・・・・・」


「間者という疑いが晴れたわけじゃない。疑いがなくなるわけでもない。
だが、俺達はお前に謝らないといけないことは確かだ」


「・・・・・今更、なにを謝る必要があるんですか?
それも、この状況で?
私はこれから仕事があります。
謝罪なら結構です。気にしていません。
気にする必要がないのです。
・・・・・監視と同じです。」


私は土方の手を振り解き、部屋を出た。